HOME フォトギャラリー
わくわく3KEN
(健・賢・研)
広場⑮
(「桜の森(はなのもり」見学)

11月2日(水)のわくわく3KEN広場は、手ノ子区協議会さんさん部会のご協力をいただき、「桜の森(はなのもり)」見学を行いました。
 お昼頃から雨が降り出しましたが、間もなく晴れ上がり天気は上々。久々の自然の中での活動ということで足取りも軽く、思わず駆け出している子どもの姿が見られました。学校周辺が豊かな自然環境に恵まれているのは、とてもありがたいことです。
 程よく進んだところでみんな集まり、手ノ子区協議会長さんからのお話を中心とした「森の勉強会」をしました。
 協議会長さんは1人1人に資料を準備してくださり、「森にはどんな力があってどのように役立っているのか」「その役に立っていることを金額にするとどれだけの金額になるのか」についてお話をしてくださいました。その内容は、かつての日本学術会議の報告を分かりやすくまとめてくださったものです。以下、その要点を記載します。 

1 森にはどんな力があってどのように役立っているのか
① 今生きている動物・植物・菌類が、これからも健全に生きていける環境をつくっている。
② 地球温暖化を抑えたり、地球の環境が急激に変化したりしないようにしている。
③ 土砂災害を防ぐとともに、豊かな山林の環境をつくる。
④ 水をより多く山林にとどめ、きれいな水をつくり、安定した量を下流に流す。
⑤ 人々の健康を守る手助けとレクリェーションの場を提供する。 
⑥ 急激な温度の変化を抑えたり大気をきれいにしたりする。そして快適な生活環境をつくる。
⑦ 景観を良くするとともに、学習・教育の場を提供し、芸術・宗教(祭礼)・伝統文化を育て、地域と地域社会の特性を伸ばしていく。
⑧ 木材やキノコ・山菜などの食料のほか、肥料・飼料・薬品・観賞用植物・工芸材料を生産する。 

2 日本(全国)の森林が1年間に生み出す力(利益)を金額にしてみると
① 山の表面の土を抑える        28兆2、565億円
② 水をきれいにする          14兆6、261億円
③ 水を山にとどめる           8兆7、403億円
④ 土砂崩れを防ぐ            8兆4、421億円
⑤ 洪水を防ぐ              6兆4、686億円
⑥ 人の心を休め回復する         2兆2、546億円
⑦ 光合成で空気中の二酸化炭素を吸収   1兆2、391億円
⑧ 石油・石炭に代えて木材を燃焼する     2、261億円 

合計すると70兆円を超える金額になります。ちなみに、森林は1haあたり280万円の利益を生み出している計算になるのだそうです。これにあてはめてみると、飯豊町の山林全体が生み出す力は1年で777億円、なんと町の一般会計予算の10倍に当たるそうです。
 続いて、「桜の森(はなのもり)」をよりよく育てていくための取り組みについてご説明いただきました。「土壌を改良するためにたい肥や固形肥料をまく。」また「地下水位を下げるために、堀を掘ったり、水を吸う力の強い榛(はん)の木を植えたりする。」「除草剤を散布してニセアカシアの繁殖を抑える。」等の計画があるそうです。 
 森には様々なはたらきがあること、そして、見当もつかないくらい大きな利益を生み出していることに子ども達はびっくりしていました。また、森の手入れしていくことの大切さについても改めて考えさせられ、学ぶことの多い勉強会となりました。 

 最後に、おいしい焼き芋の準備をしていただき、1人に手渡していただきました。